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かつて駿河国府が置かれた駿府(現在の静岡市)は、徳川家康公が6歳から18歳までの12年間と、将軍職を三男の秀忠に譲り、大御所政治を始めた65歳から74歳で死去するまでの晩年を過ごした地。静岡市周辺には、家康公の居城として整備された駿府城や、孫の家光の命により造営された静岡浅間神社など歴史の舞台や、そこで花開いた城下町、東海道の宿場町の文化が色濃く残っています。ここでは、駿河の名所・旧跡や文化施設を辿りながら、静岡県ならではの自然と文化が織りなす絶景や静岡グルメも満喫できるコースをご紹介。家康公が築いた江戸の時代に想いを馳せながら、駿府の歴史旅を楽しんでください。
※時間は目安です。
1日目 start
東名高速道路清水IC |
約20~35分 |
静岡市東海道広重美術館・由比本陣公園 滞在の目安 160分 |
約15分 |
清見寺 滞在の目安 60分 |
約15分 |
梅蔭禅寺 滞在の目安 30分 |
約30分 |
登呂遺跡 滞在の目安 60分 |
宿泊は静岡市内の宿泊施設 |
2日目 start
駿府城公園(すんぷじょうこうえん) 滞在の目安 60分 |
約5分 |
静岡浅間神社(しずおかせんげんじんじゃ) 滞在の目安 30分 |
約30分 |
丸子(まりこ)のとろろ汁で昼食 滞在の目安 60分 |
約5分 |
駿府の工房 匠宿 滞在の目安 90分 |
約10分 |
岡部宿 大旅籠柏屋 滞在の目安 90分 |
約30分 |
東名高速道路焼津ICまたは新東名高速道路藤枝岡部IC |
スタート
車で約20~35分
滞在の目安 160分
東海道の宿場町「由比宿」の本陣跡地である、由比本陣公園内にある美術館。江戸時代の浮世絵師・歌川広重の名を冠した日本初の美術館で、圧倒的な知名度を誇る名作『東海道五拾三次』をはじめ、ゴッホが模写したことで知られる『名所江戸百景』など約1400点の浮世絵版画作品を収蔵しています。
ファッションやデザインなど、現代的な視点から浮世絵の魅力を掘り下げた企画展や、趣向を凝らした展覧会も開催しています。館内では版画摺り体験もでき、浮世絵の多色摺りを実際に試すことができますよ。
由比本陣公園には他にも、由比の歴史や観光情報などを発信し、喫茶店も併設する「東海道由比宿交流館」や、明治天皇が訪れた離れ屋敷を復元した「御幸亭」があります。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市清水区由比297-1
電話番号:054-375-4454(静岡市東海道広重美術館)
昼食は桜えび
静岡市東海道広重美術館・由比本陣公園がある由比エリアの名物といえば、静岡県名産の桜えび。国内で唯一桜えびが獲れる駿河湾で最大の水揚げ量を誇る由比漁港があり、春と秋のシーズンには、地元でしか食べられない生桜えびも味わえます。桜色の海の宝石を、口いっぱいにほおばる至福のひとときを味わいましょう。
桜えび料理の名店「くらさわや」では、桜えびのお刺身や、サクサクのかき揚げ、釜揚げご飯などさまざまな桜えびの味わいを一度に堪能できる複数のセットメニューが提供されています。
お問い合わせ:くらさわや
所在地:静岡県静岡市清水区由比東倉沢69-1
電 話:054-375-2454
車で約15分
滞在の目安 60分
静岡市清水区にある臨済宗妙心寺派の名刹。徳川家康公が今川氏の人質として駿府で過ごした幼少の頃、当時の清見寺住職のもとを度々訪れていたと伝えられており、境内には家康公自身が接ぎ木したといわれる「臥龍梅」があります。このほか境内には仏殿・大方丈・書院・庫裏・鐘楼が立ち並び、中でも島崎藤村の作品にも登場する江戸時代中期作の五百羅漢石像は圧巻です。国の名勝に指定された美しい庭園も見どころの一つ。また、古くから観月の名所としても知られており、興津から三保の松原を眼下に納める美しい駿河湾が眺望できます。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市清水区興津清見寺町418-1
車で約15分
滞在の目安 30分
足利時代に創建された、臨済宗妙心寺派の名刹。街道一の大親分といわれた清水次郎長や子分の大政・小政、女房お蝶の墓があることで知られています。境内には、侠客としては全国で唯一、その半生の功労が認められた次郎長の銅像が設置されているほか、資料館や売店もあります。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市清水区南岡町3-8
車で約30分
滞在の目安 60分
登呂遺跡は第二次世界大戦中の昭和18年(1943年)に、日本で初めて弥生時代の水田跡の遺構であることが確認され、昭和27年(1952年)に特別史跡に指定されました。当時の人々が暮らした茅葺住居と稲を保管した高床式倉庫が復元された公園には、のどかな田園風景が広がり、まるでそこだけ2000年前にタイムスリップしたかのよう。
隣接する登呂博物館では、出土品や資料などの展示のほか、火起こしなど当時のムラの暮らしを体験できる「弥生人一日体験」もできます。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市駿河区登呂五丁目10番5号
電話番号:054-285-0476
静岡おでん
静岡市でおでんといえば、欠かせないのが牛スジから取ったダシを継ぎ足し毎日煮込んでできる黒いスープと、イワシやサバのすり身が入った黒はんぺん。じっくり煮込んだ具材に、青のりとだし粉をかけていただくのが、地元で「しぞーかおでん」と呼ばれる静岡市民のソウルフードです。子どもたちは学校帰りに駄菓子屋でおやつとして、大人は居酒屋で酒の肴としておでんを味わう姿が日常的に見られます。
静岡市の中心街にはレトロな雰囲気の2つのおでん街「青葉おでん街」と「青葉横丁」があるのでぜひ立ち寄ってみてください。
ゴール
スタート
滞在の目安 60分
1585年築城の駿府城は、徳川家康公が将軍職を秀忠に譲った後に移り住んだ城。石垣をめぐらせた三重の堀を持ち、五重または六重といわれる勇壮な天守を配置した城で、近年の発掘調査により、天守の土台となる天守台は江戸城を上回る日本一の大きさだったことが分かっています。家康公在城時は、江戸と駿府での二元政治が行われ、駿府の町は江戸をしのぐ政治・経済・文化の中心として大いに繁栄しました。往時の東海道の旅人たちは駿府で、富士山に抱かれた「大御所」家康が築いた絢爛豪華な城と、武家屋敷が立ち並ぶ駿府城下町の美しさに感激したに違いありません。
残念ながら当時の建造物は残っていませんが、駿府城跡を公園として整備した駿府城公園には、城の東御門、巽櫓、坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元され、一般公開されています。内堀と外堀の二重の堀の一部は江戸時代の姿を残しており、石垣に往時の様子を伺うことができます。
桜の名所でもあり、春にはたくさんの市民がお花見に訪れます。また静岡まつり(4月)、大道芸ワールドカップ(11月)などのお祭りのメイン会場でもあるほか、さまざまなイベントが年間を通して開催されています。
所在地:静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1
お問い合わせ:静岡市都市局 都市計画部 公園整備課
電話番号:054-221-1121
車で約5分
滞在の目安 30分
”おせんげんさま”と呼ばれ地域で愛されてきた静岡浅間神社は、神部神社(かんべじんじゃ)、浅間神社(あさまじんじゃ)、大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)の三社の総称で、家康公の遺志により、江戸幕府三代将軍家光公が造営したと伝えられています。
現在の社殿は、文化元年(1804年)に60年の歳月をかけて再建されており、その総漆塗りで極彩色の建築群は江戸末期を代表する神社建築として、すべて国の重要文化財に指定されています。
境内の文化財資料館には、家康公ゆかりの品々や今川氏・武田氏の遺品、賤機山古墳の出土品が展示されています。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102-1
電話:054-245-1820
車で約30分
滞在の目安 60分
東海道の二十番目の宿場町である「丸子宿」。江戸時代から自然薯の産地として知られており、自慢の自然薯をすり下ろして作った「丸子のとろろ汁」は、東海道名物として江戸の旅人にも知られていたそうです。
歌川広重の浮世絵『東海道五拾三次之内 鞠子』では、「名物 とろろ汁」の看板を掲げたお茶屋でとろろ汁をすする『東海道中膝栗毛』の主人公、弥次さん喜多さんと、自然薯売りが描かれています。そのお茶屋は「丁子屋」といい、慶長元年(1596年)の創業から400余年、「とろろ汁の丁子屋」として今でも同じ場所で、当時と同じとろろ汁を提供し続けています。歌川広重、十返舎一九、松尾芭蕉に弥次さん喜多さんも食べたというとろろ汁を心ゆくまで味わいましょう。丁子屋には江戸時代の街道文化を伝える歴史資料展示もあるので、ぜひご覧ください。
お問い合わせ
丁子屋
所在地:静岡県静岡市駿河区丸子7丁目10-10
電話:054-258-1066
車で約5分
滞在の目安 90分
匠宿は、静岡県の伝統産業を「創る・遊ぶ・学ぶ・触れる・観る・味わう」ことができる体験型施設です。静岡県は、徳川三代将軍家光公の時代に、静岡浅間神社や久能山東照宮の造営のため、全国各地から当代きっての名工や職人が集められたことから数々の伝統工芸が根づき、その優れた技術が今に受け継がれています。陶芸・染めもの・駿河竹千筋細工・木工指物・漆・蒔絵・下駄など、駿河の技はさまざま。匠宿は静岡県のそんな歴史と、次代へと続く未来をつなぐ場所なのです。
施設内では、駿河竹千筋細工のかわいらしい小物入れや虫かごづくりをはじめ、伝統工芸の技を気軽に体験できるメニューのほか、より本格的な技術を職人さんから学ぶことができる工房も。「工房 竹と染」では竹細工、和染、草木ろうけつ染めなどを、「工房 木と漆」では漆塗り、蒔絵、駿河指物などを、「工房 火と土」ではろくろでの陶芸体験ができます。
静岡県の野菜や果物を中心としたメニューがいただけるカフェ「HACHI & MITSU」も併設されていますので、休憩やお食事にお立ち寄りください。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市駿河区丸子3240-1
電話番号:054-356-1521
吐月峰柴屋寺
東海道の宿場町として栄えた丸子地区にある吐月峰柴屋寺。今川氏に仕えた連歌師宗長ゆかりの寺で、庭園は国の名勝・史跡に指定されています。京の東山を模した竹林から昇る月の風景に優れた寺としても知られています。
お問い合わせ
所在地:静岡県静岡市駿河区丸子3316
車で約10分
滞在の目安 90分
丸子宿の次の宿場である、東海道岡部宿。難所といわれた宇津ノ谷峠を越えた旅人を迎えたのが、国の登録有形文化財である、江戸時代の大旅籠「柏屋」です。
令和2年度「日本遺産」に認定された「日本初『旅ブーム』を起こした弥次さん、喜多さん、駿州の旅~滑稽本と浮世絵が描く東海道旅のガイドブック(道中記)~」の構成文化財の一つです。
建物は部分的な改修をしながら180余年にわたり、往時のたたずまいを伝えてきました。主屋は、歴史資料館として当時の旅籠の様子を再現しています。裏庭にある江戸時代と明治時代の二つの土蔵は、ギャラリーやダイニングカフェとして利用されています。ダイニングカフェ「蔵café&dining coconomi(ここのみ)」では、季節のフルーツを使ったフルーツサンドが大人気で、フォトジェニックな断面を写した写真がSNSでも話題となっています。江戸時代の歴史と現代の文化が融合した魅力的なスポットへぜひ足を運んでみてください。
車で約30分
ゴール
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1日目コース
2日目コース
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