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2828富士山には4つの五合目があり、同じ五合目でも標高や景色はもちろん登山口としての趣も異なっています。
今回は4つの五合目のうち唯一森林地帯にあり、富士山の豊かな自然を体感できる須走口五合目の魅力をご紹介します。
須走ルートは令和6年9月10日午後5時に冬季閉鎖しました。
閉鎖区間:五合目~山頂
詳細は静岡県公式サイト富士登山道の情報ページでご確認ください。
(2024年9月10日更新)
須走口五合目の標高は2000mで、4つの五合目の中では3番目に高い標高となります。(標高の高い順に、富士宮口五合目(2,400m)、スバルライン五合目(2,305m)、須走口五合目(2,000m)、御殿場口新五合目(1,440m)となっています。)
須走口へのアクセス方法ついては本記事の最後に掲載していますが、夏の開山期にはJR御殿場駅からと、小田急新松田駅から須走口五合目行きのバスが運行しています。特に新松田駅からは須走口五合目まで直通なので東京方面からのアクセスに大変便利です。
須走口へ通じるふじあざみラインは、麓から五合目まで森林の中を通っています。シカを見かけることも珍しくないので、車窓を眺めているとシカの親子を見つけられるかもしれません。
急な坂道を登り切った五合目に到着しバスを降りると、晴れていれば富士山東側の広い眺望が望めます。雲が眼下を覆い下の世界が見えない日もありますが、そんな日の朝や夕方には、朝日や夕日に染まったピンクやオレンジ、紫のなんともいえない美しい雲と空を観察することができます。
あざみラインの森林 |
須走口五合目からの富士山の眺め |
須走口五合目夕暮れ時の空の眺め |
富士山頂上は、あざみラインを登り切ったバスの発着所横からよく見えます。
バスの発着所のすぐ隣の「富士山須走口インフォメーションセンター」には、案内所、富士急バスチケット売り場や警察の派出所が入っており、案内所には富士登山道の掲示やパンフレットもありますのでぜひお立ち寄りください。
インフォメーションセンターからさらに進んでいくと公衆トイレがあります。ここのトイレは小山町のシルバーさんによりしっかりと清掃されており、清潔な状態が保たれているので気持ちよく使用することができます。協力金の箱が入口に設置されていますので、使用する際には協力金200円を必ず支払いましょう。
この先に進むと森林の中に入り、富士山も下の世界も見えなくなってしまいますので、まずは眺めを堪能しましょう。
富士山須走口インフォメーションセンター |
清潔に保たれている須走口五合目の公衆トイレ |
須走口五合目の山小屋エリアへ |
須走口五合目には菊屋、東富士山荘の2軒の山小屋があります。 この辺りの森林にはたくさんの種類のきのこが見られるため、きのこ料理やきのこ茶が名物なんですよ。両山小屋とも前を通りかかると、きのこ茶をサービスしてくれますので、ぜひ味わってみてください。
手前の菊屋の自慢料理は、麺にこだわった「きのこそば」と、お肉の質と厚さにこだわった「カツ丼」。店内奥にはアットホームな畳のスペースもあり、リラックスして過ごせます。
奥の東富士山荘のおすすめ料理は、きのこ料理全般。きのこパスタ、きのこ雑炊、きのこ蕎麦、きのこ焼きそば、きのこラーメン・・・どのきのこ料理もさまざまな種類のきのこがたっぷり使われていて、きのこそのものの旨味を堪能できます。木のテーブルと椅子、木の節が見える壁など自然を感じられるウッディな内装も東富士山荘の魅力です。
山小屋の営業状況については下記よりご確認ください。
・菊屋HP
・東富士山荘HP
菊屋 テーブル席 |
菊屋 畳コーナー |
菊屋きのこそば |
東富士山荘 ウッディな内装の店内 |
東富士山荘 富士山グッズなどのお土産品販売コーナー |
東富士山荘 きのこパスタ |
菊屋、東富士山荘を通り過ぎてさらに進んでいくと、正面に須走ルートの登山口が見えてきます。その手前には、開山期には富士山保全協力金受付をする小屋が設置されています。また、その奥右手には東(あずま)小屋があり、富士登山ルートが描かれている掲示版や、富士山登山期間には山小屋の宿泊予約状況のボードが設置されています。
須走口五合目 東小屋 |
須走口五合目 富士山保全協力金受付 |
須走口登山口 |
須走口を訪れた方におすすめしたいのは、小富士へのハイキング。小富士とは、富士山の側火山のこと。森林地帯の中にある見晴らしのよい砂礫の小山で、富士山の頂上はもちろん、山中湖、箱根など山々の眺望が楽しめます。 カラマツやダケカンバなどの富士山の原生林の中を歩くこのコースは、大きな木の根や石があり、多少のアップダウンはあるものの、急な坂はなく、体力面に自信がない方も森林ウォークを楽しめます。森の中では、さまざまな色や形のきのこや、カニコウモリ、ギンリョウソウなどの高山植物も観察できますよ。富士山のマイナスイオンを感じながら森林ウォークを楽しみましょう。
小富士へのハイキングコース入口 |
小富士へ原生林の中を歩く |
ミヤマカラスアゲハ |
森林の中を25分ほど歩くと、突然、樹木がなくなり見晴らしの良い砂礫の一帯に到達します。ここが小富士です。見下ろすと麓の森林の向こうにクジラのような形をした山中湖が見えます。前方から右手に向かって山々の連なる景観が続き、晴れていればその中に茶色い山肌を確認することができます。これが箱根。時には大涌谷から立ち昇る白い煙も見えますよ。 そして、歩いてきた森林の方を振り替えると左手に雄大な富士山の全貌が望めます。
小富士より山中湖を眼下に見下ろす |
小富士からの富士山の眺め(夏) |
小富士からの富士山の眺め(秋) |
さて、小富士から戻ってきたら登山口から階段を登ってみましょう。階段を登り左に曲がるとすぐ、登山口から1分ほどのところに小さな神社があるのでぜひお詣りを。
この神社は、古御嶽神社といい、山の神様で木花咲耶姫命の父である大山祇神、木花咲耶姫命の息子・火須勢理命と、山の水の神様高於賀美命が祀られているそうです。 森林の中にひっそりと佇むこの神社の一帯は神秘的な雰囲気に包まれており、登山者が登山の時には安全祈願に、下山時には感謝を伝えるために神社の前で手を合わせる姿が見られます。
※古御嶽神社にアクセスできるのは開山期(7/10~9/10)のみ
須走ルート登山道を登る |
須走口五合目 古御嶽神社 |
古御嶽神社を過ぎたあたりの登山道の様子 |
森林地帯にある須走口五合目は富士山の豊かな自然と神秘性を感じられるスポット。東側の登山口なので御来光も大変美しく、昇る太陽と逆の方向を振り返れば朝日に照らされる「赤富士」が眺められます。短い夏が終ると落葉樹の紅葉が始まりますので、9、10月の小富士へのハイキングもおすすめです。 美しい空の景色と森林ウォーク、そして山小屋グルメも楽しめる須走口五合目へぜひお出かけください。
須走口五合目御来光① |
須走口五合目御来光② |
須走口五合目 朝日を浴びて赤く染まる富士山 |
須走口へのアクセス方法をマイカー規制がある富士登山開山期とそれ以外の期間に分けて紹介します。
富士山環境保全のため、開山期間のうち特に来訪者が多いと予想される期間はふじあざみラインのマイカーでの通行が規制されており公共交通機関でのアクセスが必要となります。
乗り換え駐車場 | 住所:小山町須走338-44 ※「道の駅すばしり」の北側に隣接しています。 TEL:0550-75-6363 |
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シャトルバス運賃 | 片道1,370円(小人690円)、往復2,100円(小人1,050円) |
運行時間 |
■登山バス(概ね60分間隔で運行) (7/10は始発9:00~、9/10は最終16:50) |
所要時間 | 登山バス:約30分、下山バス:約25分 |
問い合わせ先 | 富士急モビリティ㈱ TEL:0550-82-1333 |
マイカー規制詳細情報 | https://www.pref.shizuoka.jp/machizukuri/doro/fujisandoro/1029179.html |
詳細は富士急行ホームページにてご確認ください。
https://bus.fujikyu.co.jp/rosen/fujitozan
詳細は富士急湘南バスのホームページよりご確認ください。
http://www.syonan-bus.co.jp/rosen/#id9
※途中の停車バス停は「須走浅間神社」のみです。
JR御殿場駅等からの通常のタクシーのほか、乗換駐車場からはシャトルタクシーに乗車できます。
※事前の予約をおすすめします。
ふじあざみラインは例年、雪が解ける4月末頃に通行が可能となり、降雪が観察される10月下旬~11月初め頃に閉鎖となります。
なお、公衆トイレが利用できる時間帯は、8:00~16:00までです。それ以外の時間帯は閉鎖されますのでご注意ください。
夏の開山期は、マイカーの通行は規制されていますが、それ以外の期間はマイカーで五合目へアクセスすることができます。ふじあざみラインの通行、五合目の駐車場の利用ともに無料です。
※バスの運行はありません。
須走口五合目 富士山の影が空に映る(影富士) |
フジアザミの花 |
五合目ではさまざまな雲の様子が観察できる |
各スポットの詳細情報は、地図上のマークをクリックしてください。
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