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静岡県はわさび栽培の発祥地であり、産出額も日本一を誇ります。天城山を望む伊豆地域や南アルプスを水源とする静岡地域など、豊富な湧水で育った静岡県のわさびは、色合い、香り、辛み、甘みに優れ、主に関東や関西の市場で高級食材として活用されています。また、伝統的な農法を継承した静岡県の水わさび栽培は、2017年に農林水産省の「日本農業遺産」に、2018年には国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」に認定されました。
水わさび
わさび田
わさび田
わさびの栽培は今から400年前、静岡市有東木地区で始まりました。駿府城で晩年を過ごしていた徳川家康公が献上されたわさびを大変気に入り、有東木から門外不出にしたという説も残されています。わさびの栽培は江戸時代中期に伊豆地域へ伝わり、やがて「畳石式」と呼ばれる新しいわさび田が考案されました。畳石式の栽培技術は伊豆地域から県内、さらに全国に広がり、その後、地域に合わせた改良を重ね、現在まで受け継がれています。
水わさびの歴史
山葵栽培発祥の地
静岡県内の多くの産地では、清らかな水が湧く山間に棚田状のわさび田を形成しています。このような畳石式のわさび田は、下から大中小の石を積み上げて、その表面に砂礫を引いた複層構造となっています。用水はわさび田の表層を流れるとともに、内部へ浸透することで不純物がろ過されるとともに、わさび栽培に適した8~18℃の水温を保つこともできます。環境変化に弱いわさびにとって、畳石式栽培は理想的な栽培方法といえます。
静岡県のわさび田では肥料や農薬をほとんど使わず、湧水に含まれる養分で栽培に取り組んでいます。自然負荷の少ないわさび田は周辺に豊かな自然環境を育み、美しい景観を生み出すとともに、水辺を好む動植物の多様性に富んだ生態系をつくりだしています。また、山間の傾斜地に広がるわさび田は高い保水能力を持ち、河川の氾濫や洪水などの自然災害から下流地域を守る役割も果たしています。
わさびの優れた抗菌作用や消臭作用は古くから知られていますが、近年では科学的な研究が進み、さまざまな機能性が解明されています。生わさびをすりおろしたときに得られる健康成分が、抗酸化作用や血流の改善作用、美肌効果、さらにがんの抑制作用などの機能を持つことも分かってきました。料理に旨味を加えるだけでなく、健康維持にも有効な機能性を備えたわさびは、まさに世界に誇る健康食材です。
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静岡水わさびの伝統栽培
世界農業遺産・日本農業遺産 |
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