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2022年は世界に出る始まりの年

プロサーファー

佐藤 李さん

両親がウインドサーフィン経験者、母は日本人初のW杯優勝者で現役のトップライダーという環境のもと、幼い頃から国内外の海に親しんできた佐藤李さん。2021年、高校1年でプロサーファーとなり、JPSA(日本プロサーフィン連盟)ショートボード女子ツアーランキング11位にランクインするなど、これからの活躍が期待される選手です。拠点は静岡県御前崎市。多くの人に支えられ、学びながら、トップを見据えています。

「2021年から大会に本格参戦。チャンスをものにし、プロになることができました」

―― サーフィンを始めたきっかけは?

両親がウインドサーフィンをしていて、地元・御前崎の海のほか、夏はハワイのマウイ島を練習拠点にしていたので、私も生まれたときから海に連れて行ってもらっていました。小学1年生のときにサーフィンを始め、本格的に試合に出るようになったのは2021年からです。コロナ禍で大会が開催されず、なかなかプロになる機会がなかったのですが、9月に茨城で行われた大会でプロになることができ、チャンスをものにすることができました。

―― サーフィンの魅力、競技を続けるモチベーションは?

自然が相手なので、コンディションが選べないのですが、それもサーフィンの魅力の一つだと思います。波に乗るという感覚は、とても新鮮な感じです。

大会で負けると悔しいですし、大きい波には恐怖心もあります。でも、よい波に乗って、よいライディングができると上達できていると感じますね。

勝っても負けても課題が見つかるので、それが次へのモチベーションにつながっています。先輩サーファーたちが応援してくれるのも、励みになっています。

「守りに入らず、できることをのびのびとやりたい」

―― 1日のスケジュール、練習内容を教えてください。

朝6時に起床し、午前と午後の2時間ずつ海で練習します。海のコンデションによってはフィジカルトレーニングをすることもあります。高校は通信制のため、空いた時間に学校の勉強をしています。

基本的に御前崎のロングビーチで練習していますが、風向きや潮周りによっては場所を移動したりしています。大会や技術向上のために、県外や海外に行くこともあります。2021年に静波にできた人工のウェーブプール「静波サーフスタジアム」での練習もとても上達に役立っています。サーフィンの練習以外には、体幹トレーニング、瞬発力、持久力など、陸でのトレーニングにも力を入れています。

同じ御前崎を拠点にしている美来(プロサーファー池田美来選手)は、両親同士がウインドサーフィンをしているつながりもあり、小さい頃からの練習仲間です。

―― お母さん(プロウインドサーファー佐藤素子選手)からはどんなアドバイスがありますか。

母には、波の使い方など技術的な指導を受けています。波には「パワーゾーン」という力がある場所があり、パワーゾーンに常にいて、スピードを落とさないようにすることが重要なんです。パワーゾーンがどこにあるのか見極め、離れないようキープするにはどうすればいいかを学んでいます。

試合のときは、「自分のできることをやればいい」と言われますね。私は本番に弱いタイプですごく緊張するので、練習以上のことは絶対にできません。守りに入らず、できることをのびのびとやることで練習通りの力が出せると思っています。

―― 目標とする選手はいますか。

日本人でありながら世界トップレベルで活躍しているカノア・五十嵐選手です。ライディングスタイルもかっこよくて好きです。先日、ハワイのオアフ島に練習に行ったのですが、CT(チャンピオンシップツアー)という世界のトップランカーだけが参加できる試合があり、選手が集まっていたんです。カノア選手も一緒に海に入っていたし、世界トップの選手たちを間近で見られてよかったです。

サーフィンが初の正式種目になった東京五輪は全試合ライブでテレビ観戦しました。台風前で波が高く、ハードなコンディションでしたが、世界で戦う人たちは、パドルの速さやターンの着地を決めてくるところなど、やっぱり違うなと思いました。

「がんばり次第でチャンピオンになれる」

―― 1年後、3年後、10年後の目標は?

2022年は、3月にWSL(ワールドサーフリーグ)のQS(クオリファイシリーズ)の大会に初めて出場する予定です。ここがこれから世界に出ていくための始まりと思っています。

私はプロになったばかりですが、がんばり次第でチャンピオンになれる可能性があると思っています。1年後に国内チャンピオン、3年後にはCTに参戦したい。あっという間ですが、そのくらい気持ちを入れていきたいです。10年後は、CTでの活躍と、結婚もしたいですね。

今はサーフィン第一の生活に迷いはありません。他を置いてきたという気持ちはなく、自然と減っていったという感じです。

―― 静岡でウォーターサイドスポーツを楽しみたい人へメッセージをお願いします。

静岡は、風向きや波の大きさなどによって、場所を選ぶことができます。気候も良いし、台風のうねりでとてもいい波も立ちます。初心者から上級者までレベルごとに楽しめるポイントがたくさんあります。新しくできた「静波サーフスタジアム」も、とても魅力的なサーフィンの施設です。

また、静岡は優しくて親切な人が多いと思います。ぜひ足を運んでみてください。


撮影:shujiizumo

【プロフィール】
佐藤 李 (さとう すもも)
2005年10月20日生まれ
静岡県御前崎市出身

インスタグラム:sumomo_sato

■経歴
2017年7月 HSA Hurley at the Harbor  womenクラス 3位
2018年6月 田原市長杯 womenクラス 準優勝
2021年9月 JPSA 茨城サーフィンクラシック 7位タイ(プロ公認資格獲得)
2021年11月 JPSA all japan田原プロ  7位タイ
2021年 JPSAショートボード女子ツアーランキング11位
2023年7月 ASF ASIAN SURFING CHAMPIONSHIPS 2023(サーフィン・アジア選手権) women   優勝

■活動拠点
御前崎市ロングビーチ

※掲載内容は2022年7月時点のものになります。

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