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浜名湖から日本一、そして世界へ

プロウインドサーファー

守屋 拓海さん

6歳からウインドサーフィンを始めた守屋拓海さん。トリッキーな技とアクションを競う競技「フリースタイル」の国内大会で実績を重ね、2019年JWA(日本ウインドサーフィン協会)ツアーのスペシャルクラス3連覇を果たしてプロ資格を取得。同年8月には、スペイン・フェルテベンチュラで開催されたPWA(The Professional Windsurfers Association)ウインドサーフィンフリースタイル選手権U15クラスで優勝の快挙を成し遂げました。

2021年は、自身初のJWAプロ年間ランキング1位を獲得。地元の浜名湖を拠点に、浜松市内の中学校に通いながら(2022年3月時点)、最年少プロウインドサーファーとして日々練習に取り組んでいます。

「自然の風や波を体感できるのは普段の生活では味わえない魅力」

―― ウインドサーフィンを始めたきっかけは?

父がウインドサーフィンをしていて、「やってみないか?」と誘われたのがきっかけで、小学1年のときに始めました。フリースタイルを選んだのは、フリースタイル競技の海外の動画を見て、かっこいいなあと思ったからです。

今は学校に通いながら、平日は放課後に、休日は午後から夕方まで練習しています。風が吹くところに練習に行きますが、基本的には浜名湖の村櫛海岸で乗っています。風がない日は休むこともありますが、風がある日は100%海に出ています。

―― ウインドサーフィンの魅力は?

自然の風や波を、体全体で体感できることです。これは普段の生活では味わえません。そこがウインドサーフィンの魅力だと思います。

競技を続けていると、調子の波があるのですが、それでもがんばって練習して、スランプを抜けた瞬間、ものすごく技の成功率が上がります。できなかったことができた時の達成感も、この競技の好きなところですね。

―― 普段の練習や努力していることを教えてください。

父に撮ってもらった動画を見返して、悪かったところを繰り返し練習しています。技が成功したときと失敗したときの動画を比較し、自分なりに研究しています。こうすれば成功できるという感覚が自分の中にあって、実際にそのとおりに動くのは難しいのですが、イメージに身体がついてくるまで何度もやり直しています。

今は、空中で2回転する技を練習しています。スピードも必要なので難しいですが、これができると世界と戦えるのでがんばっています。

「やめたいと思ったこともあるけれど、今はやるしかないと決めました」

―― 印象に残っている大会は?

初めて出場した2019年のPWAスペイン・フェルテベンチュラワールドカップのU15で優勝できたこと。そして、2021年に地元浜名湖で開催された「2021年度JWAフリースタイルツア−第3戦 浜名湖フリースタイル選手権2021」です。このときは最終戦で、一回戦で敗退してしまったのですが、敗者復活戦では最下位から勝ち上がり、2位まで行くことができました。昔から特に負けず嫌いで、試合に負けたりすると、次は絶対に勝つぞとモチベーションが上がります。

―― 2021年は国内ランキング1位を獲得。2022年はどんな年にしたいですか。

ここ2年間はW杯が行われていないので、まずは大会に出場したいです。国内大会だけでなく、7月から2カ月くらいスペインに行く予定なので、現地を拠点にヨーロッパツアーにも参加したいと思っています。

―― これまで以上にウインドサーフィン中心の生活になることをどう考えていますか。

これまで競技をやめようと思ったことが、じつは3、4回あります。冬の寒い日に海に出るのはしんどいし、グローブをすると握力がなくなるので手のマメがつぶれても素手でブーム(手をセットする部分)を握らなくてはならない。最近も進路に迷い、普通の高校への進学も考えたのですが、そうするとウインドサーフィンはできなくなってしまいます。そんなときにスペインへ行く話をいただき、ホームステイ先も紹介してもらって。「これはやるしかないな」と、心を決めました。

「まずはW杯U17クラス優勝から本選出場を目指したい」

―― 1年後、3年後、10年後の目標は?

直近の目標は、17歳以下のW杯優勝です!そこで優勝できれば、W杯本戦に出ることができます。3年後には、実力をつけて本戦でよい結果を残せるようになっていたいと思います。10年以内には、フリースタイルワールドチャンピオンになって、そのことにより、多くの人にウインドサーフィンを知ってもらいたいです。そのためにも、海外遠征や大会に積極的に参戦して、たくさん経験を積みたいと思っています。

―― 静岡でウォーターサイドスポーツを楽しみたい人へメッセージをお願いします。

静岡は人が優しく、マリンスポーツの環境が整っているところです。浜名湖はウインドサーフィンのプロツアーも開催されており、競技をする上でも地元にいながら世界のトップを目指すことができる、恵まれた環境です。

海では、普段の生活では体感できないようなことが体験できます。新しい刺激がほしいという人にはおすすめです。ぜひ、トライしてみてください!

【プロフィール】
守屋 拓海 (もりや たくみ)
2006年8月27日生まれ
静岡県浜松市出身

ホームページ:https://www.171takumi.com/
インスタグラム:takumi.moriya_j171
フェイスブック:Takumi Moriya
Livedoor blog:j171-takumi

■経歴
2019年 PWAフェルテベンチュラーワールドカップ U15 優勝
2020年 JWAプロ年間ランキング3位
2021年 JWAプロ年間ランキング1位
2023年 Gran Canaria Windsurf World Cup  ユースU17  第7位タイ

■活動拠点
浜松市村櫛海岸

※掲載内容は2022年3月時点のものになります。

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