Interview
静岡発、世界へ。選手インタビュー
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ロングボードサーファー
石井 志延さん
ロングボードサーファーの石井志延さんは2019年、2021年のNSA(日本サーフィン連盟)ロングボードの部クラス別ポイントランキングチャンピオン(LBウィメン)を獲得。2020年から静岡銀行のスポーツ&アート採用者になり、銀行員として働きながら、アマチュア界の日本トップサーファーとして活躍しています。
―― サーフィンを始めたきっかけは?
24歳の頃、友人からサーフボードを譲り受けたのがきっかけです。趣味でテニスやスノーボードをやったことはありましたが、マリンスポーツは初めて。ファッション感覚で始めたのですが、想像以上に難しくて、ボードの上に立つのに1年かかりました。もともと負けず嫌いでできるまで取り組む性格なので、何度も海に通い続け、初めて自力で波の上に立てた瞬間のことは、今も鮮明に覚えています。最初はショートボードから始め、波を横に走ることができるようになった頃から楽しくなり、35歳頃にロングボードに転向しました。
――サーフィンの魅力は?
毎回波のコンディションが違い、その波に合った練習をするので、内容はいつも波次第。飽きることがありません。波が大きければ怖さもありますが、チャレンジした時は成功しても失敗しても清々しい気持ちになります。海の中で波待ちしながら水平線から昇る日の出を見たり、冬の晴れた日は空気が澄んで、気持ちよくて、夕焼けで染まる海がきれいだったり、常に自然を体全体で感じることができるのも魅力です。
ショートボードとロングボードは1mぐらいボードの長さが違うんですが、ロングボードの方が浮力があるため、小さい波でもゆったり乗ることができて、自分に合っていると感じます。ロングボードはボードの上を歩いて先端に足をかける「ハングファイブ」「ハングテン」というショートボードにはない技があり、上手にできた時はとても気持ちよく、優雅に乗れるようになるために練習する楽しさがあります。
――モチベーションになっていること、印象に残っている大会は?
とにかく上手になりたい、という一心です。 競い合う楽しさを知ったのは、静波ガールズコンテストなど、アマチュア女性だけのツアー戦に参加し、試合で友達も増えてから。負けた悔しさや勝ったうれしさを覚えて、毎朝仕事前に海で練習するようになると、試合でも入賞することが増えて、ますます楽しくなっていきました。
印象に残っているのは、2016年の全国大会です。波が大きくて怖かったのを乗り越え、海の中で初めて決勝に残れたことを知って、うれし泣きをしながら海から上がりました。
2018年の三重県国府の浜海岸で行われた大会では、波が大きくハードなコンディションで、沖に出るときにサーフボードが折れてしまいました。でも、シード選手だったこともあり、絶対負けられないという気持ちから、サブボードで再度沖に出て勝ち上がりました。試合で勝ち続ける中、プレッシャーが辛いこともありましたが、逆にそのプレッシャーを感じられることを大切に思い、プレッシャー自体を楽しみ、自分の力に変えるよう、気持ちを切り替えるようになりました。
―― 1日のスケジュール、普段の練習について教えてください。
1年を通して早朝、静波海岸でサーフィンの練習をしています。朝4時~5時に起床。15〜30分ヨガをしてから1時間半ほどサーフィンをして、9時~10時に出社します。自宅ではヨガや体幹トレーニング、イメージトレーニングも取り入れています。
ヨガを始めたのは5年ほど前から。体幹を鍛えられ、体の中の筋肉を使う意識を持つことができます。呼吸に意識を向けることでリラックスでき、練習や試合前に自分の体と気持ちを整えるのにも役立っています。仕事や家事、サーフィンの両立をする中で、気持ちがざわついたとき、自分をリラックスさせる手段としても、とてもいいんです。
銀行で働きながらの競技のため、職場の方々の協力なくては両立できません。練習や遠征で不在となる時にはいつも協力いただいて、とても感謝しています。サーフショップの方やサーフィンの先輩方のアドバイスはとても貴重でありがたく、練習で教えてくれたことをいつも意識しています。サーフィンを通してできた仲間は、価値観が似ていて、一緒にヨガをしたり、体の使い方を話したり、試合では応援し合ったり、いつも自分のモチベーションを上げてくれて、とてもありがたい存在。仕事もサーフィンも楽しむこと、そして小さな目標を決めて達成する喜びを積み重ねながら少しずつステップアップするように心掛けています。
―― 1年後、3年後、10年後の目標は?
1年後の目標は、全日本サーフィン連盟でランキング1位を獲得することです。3年後にはトレーニングに取り入れているヨガや体のケアの仕方について勉強し、それを活かして10年後にはヨガや体のケアができるよう人の役に立ちたい。そのためにもヨガの練習や体の使い方を勉強し、それがサーフィンとどうつながるのか、考えを深めていきたいです。
個人的には、技ができるようになりたい、スタイリッシュに乗れるようになりたいですね。そしてそれを見た女性や子どもたちに「自分もあんな風になりたい」と思われる存在になれたらうれしいです。
―― マリンスポーツスポットとしての静岡の魅力は?
静岡は温暖なため、マリンスポーツが快適にできます。海までの距離も近く、子どもから大人まで海に親しむことができる場所。特に伊豆などは、サーフィンに限らず、素晴らしいロケーションも少なくありません。週末、気軽に海へリフレッシュしに行けるんです。また、試合遠征も西、東、どちらにも行きやすい環境。静波にできたウェーブプール「静波サーフスタジアム」で練習できるのも大きな魅力です。
静岡に住んでいるなら、こんなに身近にある海で遊ばないともったいない!
【プロフィール】
石井 志延 (いしい しのぶ)
1977年11月16日生まれ
静岡県焼津市出身
■経歴
2017年 全日本サーフィン選手権大会 ロングボードウィメン優勝
2019年 日本サーフィン連盟 ロングボードウィメン 年間ランキング1位
2021年 日本サーフィン連盟 ロングボードウィメン 年間ランキング1位
■活動拠点
牧之原市静波海岸
※掲載内容は2022年3月時点のものになります。
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